中ロ連携に重大な懸念、防衛白書

政府の25年版防衛白書の素案が9日、判明した。中国とロシアの軍事活動を含めた連携強化に関し「わが国の安全保障上、重大な懸念」と非難。中ロが、他国の宇宙利用を妨げる能力を強化し、国家や軍がサイバー攻撃に関与している可能性を指摘する。白書は7月にも閣議に報告される見通しだ。
日本を取り巻く安全保障環境を巡り「戦後最大の試練の時を迎え、新たな危機の時代に突入している」と表明。「ロシアのウクライナ侵略と同様の事態が東アジアで発生する可能性」に言及する。
中国の軍事動向を「これまでにない最大の戦略的挑戦」と明記。核・ミサイルや海上、航空戦力を急速に強化していると分析し、日本周辺でのロシア軍との共同飛行や共同航行に懸念を示す。
台湾周辺での軍事演習にも触れる。「常態的な活動状況の既成事実化を図り、実戦能力の向上を企図している」と指摘する。
ロシアに関し「極東方面にも最新の装備を配備している」と言及。昨年9月にロシア軍機の領空侵犯を確認したほか、北方領土を不法占拠し軍の活発な活動を継続していると非難する。
(共同)