上院選でドゥテルテ派が健闘

【マニラ共同】フィリピンで12日、上下両院と地方の中間選挙が行われ、即日開票された。地元メディアGMAによる開票率約70%の非公式集計によると、最重要の上院選(12議席を改選)で当選圏に入った候補はマルコス大統領の陣営が5人に対し、ドゥテルテ前大統領の陣営が3人で予想外の健闘となった。
マルコス陣営は、薬物犯罪対策「麻薬戦争」に絡んで逮捕され、国際刑事裁判所(ICC)に引き渡されたドゥテルテ氏の支持者の反感に直面。上院選の擁立候補のうち2人が離反し、いずれも当選圏に入っており、互角の様相となった。
マルコス氏は9日の選挙集会で、南シナ海の権益を争う中国を念頭に「相手国の軍がどれほど強大でも、領土防衛の決意は揺るがない」と述べ、中国との妥協を模索したドゥテルテ前政権との違いを強調。1期6年限りの大統領任期の前半に経済発展や物価抑制で実績を上げたと訴えた。
ICCの拘束下にあるドゥテルテ氏には、地盤の南部ミンダナオ島の住民や低所得者層が同情を寄せる。
(共同)