シリア、止まらぬ地雷被害

【カイロ共同】昨年12月にアサド政権が崩壊したシリアで、10年以上続いた内戦の地雷や不発弾の被害が続いている。国連によると全土に30万発以上が残っており、支援団体の集計では政権崩壊以降、子どもを含む300人以上が死亡した。政権崩壊の混乱や資金不足で処理は進まず、関係者は「国際支援が必要だ」と訴えている。
シリアは2011年の反政府デモをきっかけに内戦に陥り、旧政権を支援したロシアなどが軍事介入。混乱の中、過激派組織「イスラム国」(IS)も台頭し、さまざまな勢力が入り乱れた。
民間団体「シリア人権ネットワーク」によると、旧政権軍やロシア軍は大量の子爆弾をまき散らし不発弾を残すクラスター(集束)弾を使用した。地雷に関しては、あらゆる勢力が使い、広範囲に埋めたという。
地雷などがある危険地域の情報は周知されず、シリア人権ネットワークは11年3月から24年末までに民間人3500人以上が地雷被害で亡くなったとする。政権崩壊で難民らの帰還が進む中、危険地域と知らずに立ち入る住民は依然多い。
(共同)