始祖鳥、安定して飛行か

【ワシントン共同】米シカゴのフィールド自然史博物館などのチームは、ドイツで発掘された始祖鳥の化石を分析し、現生鳥類と似た羽毛構造を確認したと14日付英科学誌ネイチャーに発表した。始祖鳥が比較的安定して飛行できた可能性があるという。
始祖鳥は1億5千万年前ごろ生息。鳥の祖先と呼ばれるが、どの程度飛行能力があったかよく分かっていない。今回の化石は、ドイツ南部の石灰岩堆積層から個人の収集家が発見。その後、同博物館が入手した。
始祖鳥の14例目の化石で、ハトくらいの大きさ。チームはCTなどを使って慎重に岩石から化石を分離し、皮膚や羽毛といった軟組織を含め、ほぼ完全な形で化石を取り出すことに成功した。足の裏にクッションのような構造も確認されたことから、陸上と樹上の両方で生活できたとみている。
北海道大の小林快次教授は「保存されているものは何でも残すという方針で研究を進めたことで、軟組織も含めて詳細に観察できたのだろう」と指摘した。
(共同)