遊覧船社長の認識、尋問で認定を

北海道・知床半島沖で2022年4月、乗客乗員計26人が死亡、行方不明となった観光船沈没事故で、乗客家族らが運航会社の知床遊覧船(斜里町)と社長桂田精一被告(61)=業務上過失致死罪で起訴=に計約15億円の損害賠償を求めた訴訟の第2回口頭弁論が12日、札幌地裁であり、原告側が桂田被告の過失を改めて指摘した。会社側は書面で、出航中止の条件を定めた運航基準を被告がどう認識していたかについて、尋問で認定する必要があると主張した。
桂田被告は12日の弁論に出廷しなかった。
原告側は事前に提出した書面で、事故後の記者会見では運航基準について「聞いたことはない」と発言していたと主張。「安全統括管理者と運航管理者を兼ねる桂田被告自身が存在や内容すら知らない」と批判した。
会社側は、桂田被告に過失はないとし「(会見での発言は)訴訟において的確な証拠とはいえず、被告の認識は尋問などで認定されなければならない」と反論した。
事故は22年4月23日発生。釧路地検は昨年10月、桂田被告を起訴した。
(共同)