「2馬力」都選管は対策を見送り

東京都選挙管理委員会は22日投開票の都議選で、他候補の当選を目的に立候補する「2馬力」選挙に対する具体的な対策を見送った。都選管の担当者は「2馬力の定義が曖昧なままでは対応を取れない」と理由を説明。例えば他候補の2倍の選挙カーを使えることになり、公選法の数量制限に抵触するとの見方があるが、警察による摘発や取り締まりにも高い壁が立ちはだかる。
2馬力選挙は昨秋の兵庫県知事選で問題になった。「NHKから国民を守る党」の立花孝志氏が、失職した斎藤元彦知事を応援すると公言して立候補し、選挙戦をかき乱した。千葉県知事選でも2馬力を宣言したが、熊谷俊人知事に「迷惑だ」と批判され、撤回した。
警戒感を強めた鳥取県選管は今年5月の県議補欠選挙で、立候補届け出の際に「自らの当選を目的として候補者になる」旨の宣誓書を全候補者に提出させた。参院選でも合区の島根県と共に宣誓書提出を求める方針を決めている。鳥取県の平井伸治知事は共同通信のインタビューで「社会がノーを突き付ける勇気や行動が必要だ」と意義を語った。
(共同)