首相、衆参同日選を見送り

石破茂首相は、今国会の衆院解散を見送る方針を固めた。立憲民主党の野田佳彦代表が石破内閣不信任決議案を提出しないと正式表明したことを踏まえた。7月の参院選に合わせた衆参同日選は実施されない。首相は、中東情勢の悪化や日米関税交渉の継続を受け、解散による政治空白を回避した。複数の政権幹部が19日明らかにした。参院選の日程は7月3日公示、20日投開票となる。今国会は22日に会期末を迎え、与野党は事実上の選挙戦に入る。
参院選は、物価高対策や自民派閥裏金事件をきっかけとした政治改革が主な争点となる。イスラエルとイランの交戦を受けたエネルギーの安定供給確保や、関税交渉を巡っても舌戦が展開されそうだ。
首相は立民が不信任案を提出すれば、衆院を解散する考えを周囲に伝えていた。一方、野田氏は、衆院解散に直結する不信任案提出の是非を慎重に検討してきた。19日に国会内で記者会見し、中東情勢や関税交渉に言及。「大事な外交努力をしなければいけない。危機管理上の問題もある時に政治空白をつくるべきではない」と説明した。
(共同)