パレスチナ人学生を保釈

【ニューヨーク共同】米東部ニュージャージー州の連邦地裁は20日、移民・税関捜査局(ICE)に拘束されたパレスチナ人学生マフムード・ハリルさんの保釈を命じた。南部ルイジアナ州の拘置施設から同日保釈されたハリルさんはコロンビア大でイスラエルへの抗議デモを主導し、トランプ政権による移民の学生に対する取り締まりの象徴的な存在になっている。
米メディアによると、地裁の判事は決定理由として、ハリルさんのように滞在資格があり、逃亡や危害を加える恐れがない市民を拘束し続けるのは「極めて異例だ」と語り、政権側の対応に疑義を呈した。保釈の決定で移民の取り締まりが過剰だとの批判が強まりそうだ。
コロンビア大では昨年、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ攻撃に抗議する学生が敷地の一部を占拠。警官隊の突入で強制排除されたが、反戦デモが全米各地の大学に広がる契機となった。
ハリルさんは妻が米国人で米国永住権を持つ。政権側は「外交政策上、深刻な悪影響をもたらす恐れがある」として、国外退去の対象になると主張している。
(共同)