血糖値「正常」でも死亡リスク

 追跡調査の分析結果について説明する東北大病院の今井淳太特命教授(左)ら=23日午前、仙台市
 追跡調査の分析結果について説明する東北大病院の今井淳太特命教授(左)ら=23日午前、仙台市


糖尿病の検査基準で血糖値が正常とされる人であっても、糖分摂取1時間後の血糖値が1デシリットル当たり170ミリグラム以上の人たちは、170ミリグラム未満と比べ、その後の死亡リスクが約2倍高いとする分析結果を東北大などのチームが13日付の米科学アカデミー紀要ネクサス電子版に発表した。住民約600人を追跡調査した。
チームは岩手県花巻市大迫町で、1997年以降、男女993人を平均14・3年追跡調査した。糖尿病患者や予備軍を除いた595人に関しては、糖分摂取後1時間後の血糖値が170ミリグラム未満のグループは調査開始から20年後の時点で8割近くが生存していたが、170ミリグラム以上の人々は約半数が死亡していた。特に心疾患やがんによる死亡が多かった。
病気発症の仕組みは分かっていないが、チームは正常と診断される血糖値の中でも死亡リスク上昇につながる範囲があると結論付けた。東北大病院の今井淳太特命教授は「正常と診断されても早めの受診や健診を心がけることが重要だ」と話した。
(共同)

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