インドが共同文書への署名拒否

【北京、ニューデリー共同】中国やロシアなどが加盟する上海協力機構(SCO)は中国山東省青島で、26日まで2日間の日程で国防相会議を開いた。インドメディアによると、インドのシン国防相は共同文書への署名を拒否した。パキスタンとの武力衝突のきっかけになったテロに触れていないことが理由という。
中国は米欧への対抗軸を構築するため、新興国が加盟するSCOの結束を強化したい考えだが、足並みの乱れが表面化した。インドとパキスタンは2017年にSCOに加盟した。
インド国防省筋は共同文書について、4月にパキスタンとの係争地カシミール地方でのテロの言及がなく、テロに対するインドの立場が反映されていないと署名拒否の理由を説明。パキスタンが議長国中国にテロに触れないよう働きかけた可能性がある。
インドはテロにパキスタンが関与と主張。シン氏は国防相会議で「国境を越えたテロを政策手段として利用し、テロリストに隠れ家を提供している国もある」と暗にパキスタンを非難し「SCOはそうした国への批判をためらうべきではない」と訴えた。
(共同)