稲田さんの遺体、中腹まで搬送

【サンパウロ共同】ペルーの警察当局などは28日、同国最高峰ワスカラン山(6768メートル)で、遭難し死亡した医師で登山家の稲田千秋さん(40)=山梨県北杜市=の遺体をヘリコプターで麓まで搬送し収容した。日本の遭難対策本部が明らかにした。
稲田さんと共に遭難し救助され、26日に麓の病院に搬送された登山家の寺田紗規さん(35)=長野県=は、現地メディアによると、経過観察が必要なものの容体は安定しているという。
また救助隊関係者が27日、共同通信の取材に応じ、遭難の経緯を説明した。2人は19日に登山を開始。テントに泊まりながら徐々に登っていたが、23日に異変が起きた。困難なルートを抜け、頂上へと続く標高6600メートル付近の尾根で、稲田さんが疲労や低体温症とみられる症状で動けなくなった。夜に衛星通信を使った救難信号を発信。24日に救助隊に連絡が入り捜索が始まった。
救助隊は25日に2人を発見したが、稲田さんの意識はなく、日本の医師にも連絡を取り、死亡を確認した。
(共同)