米、地下深すぎ貫通弾断念

【ワシントン共同】米CNNテレビは28日、米軍がイラン核施設3カ所の攻撃で、中部イスファハンだけ大型の特殊貫通弾(バンカーバスター)を使用しなかったのは地下施設の位置が深すぎて効果が薄いと判断したためだったと報じた。地上部を巡航ミサイル「トマホーク」で攻撃したが、地下施設と濃縮ウラン備蓄は大きな被害を受けなかった可能性がある。
米軍制服組トップのケイン統合参謀本部議長らが26日、米上院議員らに行った機密ブリーフィングの内容として伝えた。イスファハンだけバンカーバスターを使用しなかった理由が判明したのは初めてとしている。米政府関係者はイスファハンの地下施設にイランが備蓄する濃縮ウランの約60%が保管されていたとみているという。
トランプ大統領は主要な核施設が完全に破壊されたと戦果を大々的にアピールしているが、国内外から疑問視する声が相次いでいる。
マーフィー上院議員はブリーフィングを受けた後「イランは濃縮ウランの多くを米軍の爆撃が届かない場所に移すことができる」と指摘した。
(共同)