「警察が虚偽自白誘導」違法性は



滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年に患者が死亡し、殺人罪で服役後に再審無罪が確定した元看護助手西山美香さん(45)が、国と県に計約5500万円の損害賠償を求めた訴訟で大津地裁(池田聡介裁判長)は17日、判決を言い渡す。県警による虚偽の自白誘導など違法捜査があったとの訴えはどう判断されるのか。西山さんは「間違いを認めてほしい。ただそれだけ」と願う。
「私が人工呼吸器のチューブを外しました」。04年7月、警察署の取調室で述べた「自白」により西山さんは逮捕された。やさしく話を聞いてくれた刑事に恋心を抱き「嫌われたくない」との思いで相手に合わせる供述をしてしまった。公判では「好意からうその自白をした」と無罪を主張したが退けられ、懲役12年の刑が確定した。
服役中に再審請求し、新証拠として提出した医師の意見書などから、大阪高裁は17年「患者が不整脈で自然死した可能性がある」と再審開始を決定。最高裁も支持した。
地裁は20年の再審判決で、改めて自然死の可能性を指摘し、無罪を言い渡した。
(共同)

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