特殊な鏡、不審挙動を察知

駅の上りエスカレーター横の壁に張られたミラーをちらりとのぞくと、背後に立つ人の動きがありありと映っていた―。警視庁蔵前署が管内の駅に設置したのは、広角に映る特殊な鏡。後方の不審な挙動を察知できるようにし、駅で相次ぐ盗撮を防ぐのが目的だ。各地で設置が進み、河野雅明署長は「全ての駅に広がってほしい」と話す。
署管内では駅のエスカレーターで背後から盗撮されるなどの被害が相次いで起きている。
警察庁によると、2024年に摘発した同法違反事件6310件中、1050件が駅の階段とエスカレーターで発生していた。同署は「盗撮は重大犯罪。撲滅に努めたい」と設置を決めた。
鏡は埼玉県川口市のメーカー「コミー」が開発。エスカレーターに乗りながら横目で見ると数段後ろの状況まで分かる。
同社によると、23年12月に埼玉の駅に導入されて以降、各地の警察や自治体などが設置。今年6月までに少なくとも10都府県に普及している。
(共同)