卵子提供推進掲げ団体設立

第三者提供の精子や卵子を使った不妊治療を定める「特定生殖補助医療法案」が廃案となったのを受け、専門医らが14日、提供卵子による治療を推進するための新たな団体を設立したと発表した。「法整備の欠如により卵子提供がほぼ不可能な状況だ」と訴え、独自の基準を定めて治療を進める方針を示した。
設立されたのは「医療としての卵子提供を推進する生殖医療専門医の会」。セントマザー産婦人科医院(北九州市)の田中温院長ら、民間クリニックの専門医5人が発起人となった。活動は法整備されるまでとした。
記者会見した田中氏は「必要な人が卵子提供を受けられるよう、安全かつ倫理的に治療をしていく」と説明した。
提供卵子による治療は現在、民間クリニックによって設立された別の団体「日本生殖補助医療標準化機関」が基準を定めており、生まれた子が求めれば提供者の身元を開示することになっている。田中氏によると、提供者の確保が困難で、多くは海外で治療を受けざるを得ない状況だという。
法が整備されるまで各クリニックで独自に提供者を募集する。
(共同)