原爆供養塔納骨室を公開、広島

広島への原爆投下から80年となるのを前に、平和記念公園(広島市中区)にあり、原爆死没者約7万人の遺骨が眠る原爆供養塔の納骨室が16日、10年ぶりに報道陣に公開された。遺骨の多くは身元不明で、氏名が判明しながらも遺族が見つかっていない812人や、遺族が判明している623人も安置されている。
原爆投下後、無数の遺体が荼毘にふされ、1946年に広島市戦災死没者供養塔が市民の寄付で建てられた。老朽化したため、55年7月に現在の原爆供養塔が建立された。地下の納骨室は面積27平方メートル、高さ2メートル。氏名や遺族が判明している1435人分の白い骨つぼと、遺骨を納めている木箱など178個が安置されている。
広島市原爆被害対策部調査課の上本慎治課長は「原爆供養塔の存在を広め、氏名などが判明しながら遺族が分かっていない812人の遺族捜しにつなげたい」と話した。
(共同)