新幹線E8系の故障、調査難航

東北・山形新幹線の新型車両「E8系」で電力供給装置の故障が相次いだトラブルは17日で発生から1カ月。JR東日本はE8系の単独運行を中止しており、それに伴う山形新幹線の減便は、夏休みの繁忙期も続くことになった。原因調査に時間を要し影響が長期化する中、観光産業の関係者らは苦悩を深めている。
「宿泊の予約状況は芳しくない。見込みを2割下回る施設もある」。観光振興を担当する山形県職員が漏らす。8月に集客が期待される花笠まつりや帰省シーズンを控えるが、山形新幹線の運行計画は不透明で「観光客らは予定が立てにくいのではないか」と気がかりな様子だ。
トラブルの発生以降、山形県の吉村美栄子知事らがJR東本社をたびたび訪れ、早期の通常ダイヤ再開を要望している。喜勢陽一社長は今月15日の記者会見で「地元の切実な声を重く受け止めている」と謝罪。同社企画の産直市で山形県の物産を紹介し、キャンペーンに力を入れると強調、通常ダイヤに戻れば観光振興の施策を検討するとして理解を求めた。
(共同)