「被爆電車」で惨状に思い

米軍による原爆投下から8月で80年となるのを前に、被害を受けながら今も現役で走る「被爆電車」で被爆者の証言を聞く会が27日、広島市内で開かれた。小中学生と保護者89人が、電車に揺られながら当時の惨状に思いをはせた。
広島電鉄の路面電車2両に分かれて乗り、原爆ドーム前から二つのコースに向けて出発。うち1両には14歳の時、爆心地から約1キロの場所で被爆した増岡清七さん(94)が乗った。左耳下と左肘に残るケロイドを見せながら、両親を失った話を伝えた。「核兵器をつくったのも落としたのも人間。どんなことがあっても人を殺してはいけない」と語気を強めた。
(共同)