ガザの栄養失調、3倍増とWHO

イスラエルによる境界封鎖が続くガザで、7月に入り、食料事情が急速に悪化している。米イスラエル主導で食糧配給を実施するが、配給拠点周辺ではイスラエル軍の発砲が相次ぎ多数が死傷。混乱の中で住民に食料が行き渡らず、世界保健機関(WHO)は27日、6月以降、乳幼児の栄養失調が3倍に急増したと発表した。
国際的な非難が高まる中で、イスラエルはヨルダンなどによる支援物資の空中投下を認めたが、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリニ事務局長は「深刻化する飢餓を改善できない上、非効率だ」と批判。「人々は歩く屍のようだ」とのガザの同僚からの叫びを紹介、大規模な食料搬入を求めた。
2023年10月のガザ戦闘開始以降、ガザでは国連主体で約220万人の住民に食料を配布してきたが、5月以降は「ガザ人道財団」を名乗る米イスラエル主導の組織が配給を実施する。イスラエルが「ハマスが物資を略奪する」と主張し、国連主導の支援体制を認めないためだ。
(共同)