台湾で初の本格遺骨発掘へ

【台北共同】厚生労働省指定の「日本戦没者遺骨収集推進協会」(水落敏栄会長)が台湾で初の本格的な遺骨の発掘調査を準備していることが28日、日台の関係者の話で分かった。台湾南部で日本の軍艦が攻撃を受け多数の日本兵らが死亡したとの証言があり、遺骨の収集を目指す。台湾は日本と正式な外交関係がなく調査が進んでいなかったが、戦後80年の今年、具体的な動きが出てきた。
推進協会設立前の1975年ごろに政府が対台湾窓口機関に委託し242柱を収容した例があるが、協会としては初の発掘調査となる。
推進協会は今年1月、南部・屏東県などに職員を派遣し、地元の歴史研究者、念吉成氏らの話を聞いた。
念氏によると、バシー海峡に面した屏東県恒春の海岸に遺骨を埋めたとする住民の証言がある。44年12月、近くに停泊していた日本の軍艦が連合国軍側の攻撃を受け多数の軍人が死傷した際のことだという。
推進協会の関係者は「今夏にも発掘調査する予定だったが実務的な事情で遅れた。実施方針に変わりはない」と説明した。
(共同)