東電、8千億円損失計上へ

東京電力ホールディングスが、福島第1原発の廃炉作業に絡み、2025年4〜6月期連結決算で8千億円台の特別損失を計上することが30日分かった。これに伴い、26年3月期の純損益は福島事故後の11年3月期以降の3年間と同様、巨額赤字に陥る恐れがある。事故の賠償や廃炉に資金捻出が必要な東電には痛手となる。4〜6月期決算は31日発表する。
東電は29日、第1原発廃炉の最難関となる溶融核燃料(デブリ)取り出しに関連し、放射性物質の漏えいリスクを低減するため1〜4号機の廃棄物処理建屋の全てを最終的に解体する方針を示した。
30年代初頭の開始を目指していたデブリの本格的な取り出しが、37年度以降にずれ込むことも発表。目標とする51年までの廃炉完了は厳しい状況となっている。
(共同)