「飢餓と死」、世界は傍観

 パレスチナ自治区ガザ北部ガザ市で、支援物資を求めて集まる人々=29日(ゲッティ=共同)
 パレスチナ自治区ガザ北部ガザ市で、支援物資を求めて集まる人々=29日(ゲッティ=共同)


【エルサレム共同】イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘によるパレスチナ自治区ガザの死者数が6万人を超えた。依然収容されていない遺体が多数あるとされ、犠牲者は大幅拡大の恐れがある。餓死者も増加している。「世界は行動せず、飢餓と死を見ている」。国際社会は傍観状態にあるとしてガザ住民は怒り、絶望の声を上げた。
「息子の墓参りに行き泣いた」。北部ガザ市の損壊住宅で暮らすアハメドさん(40)が電話取材に語った。生後10カ月の息子ゼインちゃんは数カ月にわたり粉ミルクが手に入らず、今月、栄養失調で亡くなった。
アハメドさんは、責任はイスラエルにあると考えつつ「日本を含む世界も、子どもが飢えで死んでいくのを見ている。共犯者だ」と憤った。
ガザ保健当局によると、飢餓や栄養失調の死者は150人を超え、多くは子どもだ。生後9カ月の娘タラちゃんを栄養失調で亡くしたイスラムさん(36)は、自分を責める毎日を送る。「私の人生には何の意味もない」。死にたいと嘆いた。
(共同)

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