襲撃現場付近に財布や血痕シャツ

北海道警などは15日、知床の羅臼岳(1660メートル)で、登山中にヒグマに襲われ行方不明となった男性の捜索を再開し、襲われた現場の登山道から南西方向に数十メートル離れたやぶで、男性のものとみられる財布を見つけた。周辺で血痕が付いた紺色のシャツも発見。シャツは破れ、付近の樹木や地面に血痕が複数残されていた。樹木の血痕は引きずったような状態だった。
財布には男性の名前入りのカードが入っていた。付近には催涙スプレーとみられるものや、腕時計、帽子も落ちていた。道警はいずれも男性のものとみている。
捜索隊は警察官やハンターら十数人。男性が近くにいる可能性があるとみて行方を捜した。
環境省のウトロ自然保護官事務所は同日、羅臼岳でクマ撃退スプレーを噴射した登山者にヒグマが数分間付きまとう事案が12日にあったことから、13日に職員が登山道の状況確認に入っていたことを明らかにした。環境調査や研究を行う「知床財団」と斜里町の職員も同行したが、ヒグマの痕跡や目撃情報は得られなかったという。
(共同)