信号設定ミス、停車せず

東急田園都市線梶が谷駅(川崎市)で5日夜に起きた普通列車と回送列車の衝突脱線事故で、東急電鉄は7日、列車の位置を検知する駅の信号システムに設定ミスがあり、普通列車が停車すべき状況なのに、車内計器には青信号が表示されていたと明らかにした。ATC(自動列車制御装置)でも青と認識され、自動ブレーキが作動しなかった。10年前の線路改修時に設定を誤り、そのまま気付かなかった。
事故で運休した田園都市線と大井町線の一部区間は、7日午前0時ごろに運転再開され、同日朝も始発から通常ダイヤで運行。主要路線が復旧し、利用者は安堵の表情を見せた。
5〜6日に計1107本が運休し、約65万2100人に影響したことを受け、7日に記者会見した福田誠一社長は「多大なご迷惑をおかけしおわびする」と述べた。
東急によると、事故では回送中の列車が所定位置の手前の引き込み線で停車。車体の一部が本線側にはみ出し、進入してきた普通列車と衝突、回送側の最後尾車両の2軸が脱線した。乗客乗員にけがはなかった。
(共同)