エンジン車禁止撤廃へ決意

【ベルリン共同】ドイツのメルツ首相は9日、エンジン車の新車販売を2035年に原則禁止すると掲げる欧州連合(EU)の政策が導入されないよう「あらゆる措置を講じる」と強調し、改めて撤廃に向けた決意を表明した。ベルリンで自動車大手幹部との会合後に記者会見した。
中国との激しい競争に直面している欧州の自動車メーカーは、35年のエンジン車禁止は非現実的だと主張している。メルツ氏は、業界がエンジン車禁止に対応するには時間が必要だと指摘した。
電気自動車(EV)への移行は継続する考えも示し、中低所得者層のEV購入支援のために30億ユーロ(約5300億円)の追加補助金を検討していることも明らかにした。
EU欧州委員会は21年、エンジン車の新車販売を事実上禁止する法案を提案し、欧州議会が23年2月に採択。EUエネルギー相理事会は、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)排出をゼロとみなす合成燃料を使用する新車に限り35年以降も販売を認めることを決めた。
(共同)