新型無人補給機、21日打ち上げ

国際宇宙ステーション(ISS)に食料や実験装置を運ぶ新型無人補給機「HTV―X」1号機の打ち上げが21日に迫った。先代の「こうのとり」より多くの荷物を積めるほか、宇宙空間を飛びながら新技術を試験する機能も新たに備え、輸送と技術実証の“二刀流”となった。米主導の国際月探査「アルテミス計画」で日本が担う、月への物資輸送に向けた一歩とも位置づけられている。
HTV―Xは全長約8メートル、直径約4・4メートル。積める荷物は、こうのとりの4トンから6トン近くまで増えた。開発を担当した宇宙航空研究開発機構(JAXA)の若月孝夫ファンクションマネージャは「米国やロシアの補給機と比べても輸送能力は高い」と自負する。荷物への電源供給も可能で、実験試料を冷凍庫に入れて送れるようになった。
特徴的なのは、ISSに荷物を届け、ごみを積んで出発した後も、最長1年半にわたって飛び続けられる点だ。宇宙で使う新技術の試験や、超小型衛星の放出ができる。
1号機では、機体に取り付けた反射器に地上からレーザー光を当て、距離を1センチ単位で測る試験を予定する。
(共同)