宮崎・鹿児島も「違憲状態」
最大3・13倍の「1票の格差」を是正しないまま実施された7月の参院選は憲法違反だとして、宮崎、鹿児島両選挙区の有権者が選挙無効を求めた訴訟の判決で、福岡高裁宮崎支部は21日「違憲状態」と判断した。無効請求は棄却した。全国14の高裁・支部に計16件起こされた同種訴訟の15件目の判決で、違憲状態は10件目。判決は25日の広島高裁で出そろう。
二つの弁護士グループが提訴。残る5件の判決は「合憲」だった。今後、最高裁が統一判断を示す見通し。
小田島靖人裁判長は判決理由で、国会が隣接県を一つの選挙区にする「合区」が導入された2015年の制度改正時と比べ「立法府の格差是正を指向する姿勢は弱まったまま、議論もほぼ進展がない」と懸念。「違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあった」と指摘した。
一方、投票価値の平等を実現する具体的方策の合意形成には時間を要するとして、今回の選挙までに格差是正がされなかったことは「国会の裁量権の限界を超えるものではない」と結論付けた。
(共同)












