肘近くまで腕巻き込まれ

 男児の死亡事故があったスキー場のエスカレーター。現場付近にはジュースや花束が供えられていた=29日午前、北海道小樽市
 男児の死亡事故があったスキー場のエスカレーター。現場付近にはジュースや花束が供えられていた=29日午前、北海道小樽市


「助けてください」。女性の叫び声で振り返ると、男の子があおむけで倒れ、右腕は肘の近くまでエスカレーターに巻き込まれていた―。北海道小樽市のスキー場で札幌市の保育園児後藤飛向ちゃん(5)が死亡した事故で、現場に居合わせた奈良県広陵町の会社経営者(42)が29日、共同通信などの取材に当時の状況を語った。
当時、飛向ちゃんの前でエスカレーターに乗っていた。駆け寄り、体を引っ張って助けようとしたが、腕をきつく挟まれ、びくともしない。飛向ちゃんの意識はもうろうとし、顔は青ざめていた。
父親とみられる男性が名前を呼んで「しっかりしろ」と何度も叫ぶと、ぐったりしていた飛向ちゃんが反応し、泣き声を上げたり、動いたりする様子もみられた。事故から約45分後、救急隊が機械を破壊し救出したが、死亡が確認された。
この経営者は、前日にエスカレーターに乗った際は不安定で恐怖を感じたという。「ほかの子どもや大人も転倒して巻き込まれる可能性が大いにあると思った。二度とこんな悲しい事故が起こらないようにしてほしい」と語った。
(共同)

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