水戸・大工町、構想20年再開発完工 中心街活性化に期待
水戸市大工町1丁目地区の再開発で整備された複合施設「トモスみと」は5月1日、供用開始する。県都の中心市街地にふさわしいにぎわいを目指す大工町再開発事業は構想から約20年を経て、地権者らによる同地区市街地再開発組合(平松克章理事長)が業務棟、マンション、ホテル、立体駐車場の計4棟を整備した。24日は施設の完工式が行われ、平松理事長は「この日を迎えられて感慨深い。(活性化へ)今からが新しいスタート」と、にぎわい創出へ意気込みを示している。
開発区域は国道50号大工町交差点の南東に位置。県内屈指の繁華街で、観光名所の偕楽園や千波湖に近い。区域面積は水戸信用金庫本店跡地など約1万5千平方メートルで、施設の延床面積は4棟合わせて約3万6800平方メートル。総事業費は約120億円に上り、このうち約40億円は国、県、市からの補助金。
業務棟は地上7階、地下1階建てで、水戸信金が3階と1、4階の半分に入居し、大手企業の事業所なども含め7割近くが埋まる。1階の残りは飲食などサービス業、2階は地域の高齢者などに配慮して医療施設の誘致を進めている。
マンション「ザ・レジデンス水戸」は地上15階、地下1階。面積55〜100平方メートル、価格1500万〜4900万円台の計100部屋を既に完売した。約320人の居住を見込んでいる。
「ホテル・ザ・ウエストヒルズ・水戸」は地上10階、地下1階で全161室。結婚式用チャペルや宴会場、レストランを備え、チャペルには既に予約も入っているという。年間利用者約22万人、雇用創出約200人を想定している。
これらの棟に囲まれた立体駐車場は5層建てで、マンション用102台分を含む288台分を確保。敷地内の自由通路は災害など非常時の避難場所として千平方メートル超を設け、飲用井戸を設置した。地域イベントでの活用も視野に入れている。
大工町再開発構想が持ち上がったのは1991年。同信金本店移転が確実になったのを受け、土地を活用して中心市街地を活性化しようと、同組合前身の準備会が発足した。
建築資材の価格高騰による入札不調や建築基準法改正に伴う構造計算見直し、不況のあおりを受けた事業規模縮小など度重なる困難を乗り越え、2011年にようやく着工にこぎ着けた。
供用前から周辺では早くも好影響がみられ、大工町2丁目の不動産業者は「昨年秋ごろからテナント入居や問い合わせが増え、再開発に期待する声を多く聞いた。実現して本当に良かった」と語る。
ただ、大工町地区から水戸駅北口まで約2キロ区間の中心市街地全体としては、大型店撤退が相次ぐなど衰退傾向に歯止めがかからないのが実情で、水戸市の高橋靖市長は「施設の波及効果を広めるため、行政として関わっていきたい」としている。











