児童、津波備え避難訓練 速報システム活用
那珂川や涸沼川を遡上(そじょう)する津波に備えた水戸市立下大野小学校(同市塩崎町、磯崎則男校長、児童104人)の避難訓練が17日、学識者、PTA、市職員など13人で構成する同小の「学校防災連絡会議」の協力で行われ、児童らは約1キロ離れた大串貝塚ふれあい公園(同所)に徒歩で避難した。
同小では東日本大震災以降、毎年津波対応の訓練に取り組んでいる。今回は初めて、防災力を高めようと本年度から設置された同連絡会議が協力。メンバーの学識者による訓練内容の評価、PTAや近くの市役所常澄庁舎職員らによる国道51号横断時の安全確保などが実施された。
訓練には今月、市立小中学校で初導入された「緊急地震速報受信システム」を活用。震度7以上の地震発生という想定で校内に速報が流れると、児童たちは一斉に机の下に隠れ、揺れが収まるのを待ってから校庭(海抜約4メートル)へ避難した。津波警報を確認すると、6年生が1年生の手を引くなど協力し合いながら同公園(同約16メートル)へ向かった。
終了後、6年生の吉川葵衣さん(12)は「冷静に行動することができた」と振り返り、磯崎校長は“おかしも”(押さない、駆けない、しゃべらない、戻らない)の再徹底を呼び掛けていた。
同連絡会議メンバーで、海にかかわる防災を研究する茨城大工学部の信岡尚道准教授は「下校中など先生が不在の時に地震が発生した場合、自ら判断できるかどうかも重要」と今後の課題を挙げた。(今井俊太郎)