高台移転で「安心」 津波被災大洗かもめ保育園
東日本大震災の津波で被災し、大洗町磯浜町の高台に移転した町社会福祉協議会経営の大洗かもめ保育園(森保園長)が3日開園し、0歳〜5歳の園児127人が父母らに連れられて元気に登園した。被災保育園の高台移転は県内初。
登園した園児たちは、真新しい2階建て園舎に大喜びで、5歳児の女児は「きれいでかわいらしい。楽しい」と話した。園児全員が2階の遊戯室に集められ、開園式が開かれた。
森園長は高台移転までの経緯を話しながら「これで一安心です。皆さんは素晴らしい園舎を建ててくれた人たちに心の中で『ありがとう』と言ってください」などと呼び掛けた。
保護者の男性(40)は「高台に移転できて安心しました」と話した。
震災直後、園児と避難した保育士の児島雅代さんは「余震のたびに不安だったが、父母からもこれで安心したと言う声が聞けて良かった」と喜んだ。
震災で、同町沿岸には最大4・2メートルの津波が押し寄せ、園舎は床上約70センチまで浸水。職員の車が津波にのまれ、施設の一部が損壊した。園児137人は町役場を経由して高台に避難し、1人のけが人も出さずに済んだ。
震災後、園児の父母らが約1100人の署名を集めて「早期の高台移転」を要望した。