一斉行動、震災へ備え 水戸・シェイクアウト訓練
大地震を想定し、市民が日常生活の中で一斉に身を守る行動を取る「シェイクアウト訓練」が13日、水戸市で8万9千人近くが参加して行われた。それぞれの職場や学校などで、ラジオ放送を合図に1分間実施。同訓練として認定されている事例では、参加者数が国内市町村で京都市に次ぐ2番目、政令市を除けば最多を記録した。
東日本大震災からの年月の経過に伴う防災意識風化の防止などを狙いとし、昨年11月に市が実施を決定。企業や団体、小中学校をはじめとする教育機関、市・県・国の行政機関、町内会などへの積極的な呼び掛けにより、8万8609人が事前に参加登録した。
ラジオでの合図は、茨城放送とFMぱるるん(水戸コミュニティ放送)の両ラジオ局が協力。他事例では人による直接の合図、建物内の放送、防災行政無線などが主流だったが、ラジオの活用は世界初となった。
同訓練は大きな地震の揺れを想定し、低い姿勢で、頭を守り、動かないという初期の安全行動を一斉に取る決まりだ。同市末広町1丁目の常陽銀行末広町支店では、午前11時5分のラジオ放送での合図に従い、水上浩支店長が行員らに安全行動を指示。それぞれ素早く机の下に隠れるなど、訓練に取り組んだ。
同支店勤務の塙綾子さん(28)は「訓練は心の準備になる。震災時は机にしがみついていたが、動き(安全行動)ができるようになれば参加した意義はある」と話した。
高橋靖市長は「多くの方が関心を持ち、参加していただき感謝している。今後も市民との連携を充実させ、災害への備えを図りたい」と述べた。
シェイクアウト訓練は米国の防災関係者の発案で、2008年にカリフォルニア州で最初に実施され、世界中に広がっている。正式に同訓練と認められるには、シェイクアウト提唱会議(事務局東京都内)の認定が必要となる。京都市は11日に実施し、約12万1千人を記録した。












