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外国人教育の援助策討議 日本支える人材育成を

外国人児童生徒の教育について意見を交換した円卓討議=筑波大
外国人児童生徒の教育について意見を交換した円卓討議=筑波大


外国人児童生徒への日本語指導や学習支援の考え方、取り組みを探る「教育の国際化対応を考える円卓フォーラム」(NPO法人コモンズ主催)が23日、つくば市の筑波大で開かれた。講演した宇都宮大の田巻松雄国際学部長は「外国人児童生徒を将来の日本を支える人材として育成できるかどうかがポイント」と話した。

フォーラムは、行政関係者や研究者、教育関係者、NPO法人のメンバーらが参加し、講演や討議に熱心に耳を傾けた。

田巻部長は、全国の公立学校に7万1500人の外国人児童生徒が在籍し、このうち日本語指導を必要とする児童が2万7千人に上る現状(2011年現在)を報告。その上で「日本は事実上外国人労働者を受け入れてきた。高校進学できない子どもを放置すれば『下層』として社会に固定されてしまう。二つの国を行き来する子どもたちはグローバルな人材として日本社会を支える人材になり得る」と外国人児童生徒の可能性と、教育支援の必要性を指摘した。

その後、出席者の中から12人が円卓討議を行った。児童間での語学力や学力の差が大きい常総市の現状が報告され、一人一人への対応の難しさが課題として挙げられた。

一方、ボランティアへの協力体制の充実とともに、外国人への日本語指導の特別課程の制度運用と教員配置の難しさも指摘された。現場教員が自主的に学べる研修機会の構築も要望として出された。

高校入試の外国人特別枠については、千葉県からの出席者から、特別枠のある高校の例が報告され、各県レベルでの対応、制度の違いが浮き彫りになった。(芳賀和生)



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