プールで救助訓練 消防用ホース利用
鹿行広域消防本部鉾田消防署(岸田一夫署長)は15日、鉾田市箕輪の「いこいの村涸沼」屋外プールで、消防用ホースを利用した水難救助訓練を行った。ホースに空気を入れて使う試みを初めて実演。設定から撤収までの手順や救助時の実用性を確かめた。
訓練は同日と12日の2日間行われ、旭と大洋両出張所を含めた全署員計62人が参加。約20メートル先の水面で助けを求めている人がいる、との想定で行われた。同署に水難事故に対応した資機材はなく、普段使っている空気ボンベや呼吸器などを活用。バルブなどは署員が手作りした。
署員は一つ一つの手順を確かめながら、長さ20メートルのホースに空気を充填(じゅうてん)。大きな浮輪状にするなどして要救助者まで渡し、つかまらせた状態で引いたり押したりねじったりして感触を確かめ、署員からは「軽い」「安定している」などの声が上がった。
訓練を主導した白井正明消防司令は「今あるもので安価にできる方法を考えた。もう少し設定時間を短縮する必要があり訓練を重ねたい」。岸田署長は「管内は東に太平洋、北に涸沼、南に北浦と水面が多い。いろいろな事故に対応できるようにしたい」と話した。
同署によると、ホースに空気を入れて使う試みは20年前に神奈川県平塚市消防本部で始まった。オイルフェンスや縦穴での酸欠事故にも活用できるといい、同署は2012年秋、考案機材の実用実験を涸沼で行っていた。
(島田真太郎)