鉾田市上冨田の市立鉾田北中学校(大原甚一校長、生徒200人)で13日、老朽化で取り壊される「校舎とのお別れ会」が開かれた。在校生や卒業生らが校内清掃や校歌斉唱を行い、思い出が詰まった学びやに別れを告げた。生徒会を中心に5月下旬に実行委員会(飛沢愛実委員長)を組織し準備してきた。

校舎は1966年3月の完成で今年49年目。鉄筋2階建てで長い廊下が特徴という。学校校舎耐震化工事の一環として建て替えることになり、現在、敷地南側に新校舎を建設中。26日に完成するため、現校舎の活動はあと10日ほどで終わる。

お別れ会には在校生のほか、100人以上の卒業生や保護者が参加。校庭で「ありがとう」の人文字をつくって記念撮影した後、全員で教室や廊下など校舎内を清掃した。雑巾を手に窓や床の汚れを拭い、思い出話に花を咲かせたり、記念撮影したりした。

廊下には、「50年間おつかれさまでした」「すばらしい思い出をありがとう」などと思い思いのメッセージを手にした在校生や卒業生の写真が張られていた。修学旅行や部活動など学校行事の写真も展示。卒業生らは「懐かしいね」などと声を上げては思い出を語り合った。

閉会式では吹奏楽部の演奏の後、生徒と卒業生の代表3人が感想を発表。3年生の松本壮太さんは「掃除で汚れや傷を見つけ、50年間立ち続けてきたんだと実感した」。卒業生の浅野なつみさん(16)と中根雅晴さん(22)は「楽しい3年間を思い出した」「忘れられない思い出がある。皆さんも何か見つけてほしい」と話した。最後に全員で肩を組みながら校歌を高らかに歌った。

家族6人で訪れた田崎亜香里さん(24)は「吹奏楽部だったので(後輩の)演奏を聴いたら当時の風景が浮かんできて涙が出た。校舎がなくなるのは寂しいけれど、新しい校舎でも伝統を築いていってほしい」と話していた。　(島田真太郎)