ヘリで救援物資搬送 県大洗水族館 津波被害想定し訓練
東日本大震災の教訓を踏まえたヘリコプターによる救援物資の搬送訓練が20日、大洗町磯浜町のアクアワールド県大洗水族館で行われ、ヘリ3機が群馬サファリパーク(群馬県富岡市)で積み込んだ救援物資を同水族館に運んだ。
訓練は、日本動物園水族館協会と赤十字飛行隊群馬支隊(前橋市)が主催。両者は震災直後の2011年4月に災害協定を結び、これまでに静岡県や栃木県の動物園で訓練を実施してきた。3回目の今回は、大地震に伴う津波被害が本県などで発生し、同水族館が被災したと想定して実施した。
ヘリコプターは鳥籠約10個分を積み込むことができ、小動物の搬送も可能。震災では動物の移送を余儀なくされた水族館もあったことから、今後、万が一の際にヘリコプターの活用が期待される。
同支隊のヘリ3機は同県渋川市の赤城ヘリポートを出発し、同サファリパークで救援物資などを積み込んだ。その後、本県内の病院などを上空から視察しながら、約45分後に同水族館の駐車場に着陸し、物資を降ろした。
同水族館の石橋丈夫館長は「災害時に(地上の)交通網が遮断された場合でも、ヘリコプターが水族館に離着陸できると分かり、非常に安心した」と話した。
(小野寺晋平)