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空撮で古代地形紹介 県北ジオパークPV完成

県北ジオパークのPVを制作した茨城大学生ら=水戸市文京
県北ジオパークのPVを制作した茨城大学生ら=水戸市文京


県北地域などに残る古代の地形や美しい景観を保全しながら観光や教育に役立てる「県北ジオパーク」のプロモーションビデオ(PV)が完成し、披露発表会が3月27日、水戸市文京2丁目の茨城大図書館で開かれた。

PVを制作したのは、茨城大で地球科学を専攻する学生を中心とする学生組織「茨城大地質情報活用プロジェクト」。県北ジオパークの魅力を映像で紹介し関心を持ってもらうことで、地域経済の活性化や同ジオパークの知名度向上につなげるのが狙いだ。

同プロジェクトは2007年度に発足し、本年度のメンバーは14人。これまでに県北ジオパークの地質観光マップや案内看板の作製、オリジナルお土産品のどら焼き「ジオどら」開発などに取り組んできた。

PVは同プロジェクトPV班と筑波銀行が協力、東京を中心に活動する写真家の山本直洋さんに撮影を依頼した。同銀行は企画段階から参画し、資金面でも協力した。

北茨城、高萩、常陸太田、常陸大宮、大子の4市1町で撮影され、エンジン付きモーターパラグライダーによる空撮映像を数多く取り入れており、同ジオパークの地形や見どころをダイナミックに表現。袋田の滝(大子町)や花貫渓谷(高萩市)の大自然、竜神峡(常陸太田市)を含む約60キロに及ぶ棚倉断層など、地形や地層から日本列島誕生の歴史を感じさせる内容だ。

PV班リーダーの大学院生、前田知行さん(23)は「初めての試みだったが、すごいPVができ、ほっとした。地域貢献に生かしたい」と話し、理学部1年の北原遼太さん(19)と杉野伊吹さん(19)は「地上からは分からないところも空撮だと地学の現象などがよく分かる。活動に参加して自らの活動範囲が広がった」などと語った。

PVは今後、同大ホームページや筑波銀行各支店のモニターで放映される予定で、撮影地の5市町などに提供される。

同大理学部の天野一男教授は「ジオパークは全国に36あるが、大学が主体に動いているのは県北ジオパークだけ。産学官民連携で学生が積極的に参加し、実践したことを高く評価したい」と話した。筑波銀行の渡辺一洋上席執行役員は「茨城大と連携協定を結んで、今回は企画段階から参加した。空撮でビジュアル的にアピールし、一つの作品ができたことは素晴らしい」と絶賛した。 (小田内裕司)

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