多重衝突想定し訓練 日立 300人、協力態勢確認
多重衝突事故を想定した大規模災害事故対策訓練が5日、日立市みなと町のなぎさ公園付近で行われた。日立市消防本部、日立総合病院災害派遣医療チーム(DMAT)、日立警察署などの関係機関から約300人が参加し、多数の負傷者が発生した際の協力態勢を確認した。
日立市地域医療協議会(星野寿男会長)が年1回開いている訓練で今年で10回目。訓練は、国道245号で大型バス1台と乗用車2台が衝突する交通事故が発生し、30人の重軽傷者が出たと想定して実施された。
現場には指揮本部が設けられ、消防隊員が手分けしながら車に閉じ込められた人たちやバスの乗客を救出。医師たちは治療優先順位を識別するトリアージを行い、救急車で病院へ搬送する手順を確認した。県防災航空隊は負傷者を県外の病院へ搬送した。
日立市消防本部の寺門泰広消防長は「今年4月の常磐道トンネル事故では、トリアージポストがトンネルの出入り口に設けられるなど関係機関の連携が密になってきている」と訓練の成果を語った。