被災の母校を清掃 常総・大生小で水海道中生120人
鬼怒川決壊などで被害を受けた常総市平町の市立大生(おおの)小が自校で学習再開するのを前に、卒業生が通う市立水海道中の2年生約120人が26日、同小に駆け付け、浸水した体育館清掃に取り組んだ。生徒たちは「思い出が詰まった母校をきれいにしたい」と雑巾で懸命に磨いた。
大生小は鬼怒川や近くを流れる八間堀川の堤防決壊により、高さ約2メートル浸水。校舎が使えなくなり、児童は約5キロ離れた市立五箇小にバスで通って授業を受けているが、復旧工事が進んだため、30日に自校での学習が再開される。
体育館の泥は既にかき出されたものの床には汚れがこびり付き、同中の生徒は横一列に並び、持参した雑巾で床を丁寧に拭いた。壁に残った汚れを見た生徒は「こんな高さまで」と驚き、頭上に腕を伸ばしてきれいにした。
卒業生の永瀬千咲さん(14)は「被災した母校の姿を見てショックを受けた。思い出の場所なのできれいにしたい」、片野芽瑠笙(めるし)君(14)は「妹も大生小に通っている。母校が早く以前の姿に戻ってほしいと願いを込めた」と語った。
同中の中山幸一教諭(46)は「私たちの学校も被災し、多くの人にお世話になった。恩返しのつもりで来た」と説明、大生小の染谷修教諭(52)は「再開を間近に控え、本当にありがたい」と話した。 (松田拓朗)