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測量技術の精度向上 石岡に巨大パラボラアンテナ

最先端の宇宙測地技術で国土を測る施設が完成した石岡測地観測局=石岡市根小屋
最先端の宇宙測地技術で国土を測る施設が完成した石岡測地観測局=石岡市根小屋


最先端の宇宙測地技術で国土を測る国土地理院の「石岡測地観測局」が、石岡市根小屋の県畜産センター敷地内の高台に完成し、5月から本格運用を開始した。天体が放つ弱い電波を複数のパラボラアンテナで受信し、地球規模で測量を行う「VLBI(超長基線電波干渉法)」と呼ばれる技術の観測施設。同院は「測量や人工衛星の軌道決定などに精度向上が期待できる」と話している。

同観測局は、VLBI観測施設のほか、正確な位置を定める電子基準点や重力測定室などを備える。同様の観測局はアメリカ、ドイツ、スペインに次ぎ世界4番目。

VLBIは、数十億光年の天体から地球に届く電波を巨大なパラボラアンテナで受信し、地球上の正確な位置(緯度、経度)を1ミリの精度で測る技術。これまでは18年間、つくば観測局の従来型アンテナ(直径32メートル)で国内観測を担ってきた。次世代型アンテナ(同13メートル)はアンテナを動かす速度を約4倍、24時間に捉える天体の観測回数を約6倍に高める。国土地理院(つくば市)から遠隔操作できる。

石岡市の同所は、安定した地盤の広い土地が確保でき、人工的電波の影響を受けにくい点などから選ばれ、順次施設の整備を進めてきた。

2014年10月からの次世代型アンテナによる試験観測を経て、今回の本格運用となった。当初、開局式典が予定されていたが、熊本地震が発生し、国土地理院職員が測地など現地対策に尽力しているため中止となった。報道関係者向けの説明会と、近隣小学生や区長ら招いた見学会のみを実施した。今後、一般向け公開イベントも計画中。 (高畠和弘)



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