消防指令を一元化 「いばらきセンター」稼働
消防無線のデジタル化に伴い、県内20消防本部33市町が共同で整備した「いばらき消防指令センター」(水戸市内原町)が1日、本格稼働した。119番通報などの指令系統が一元化され、最新の情報通信技術を駆使した県の防災情報ネットワークシステムと連動した大規模・広域の災害への迅速な対応が期待される。
同センターは今年5月末が期限の消防無線のデジタル化に合わせ、東日本大震災での教訓や大規模災害など今後の災害リスクの高まりを踏まえて設置。2013年4月に県内34市町で構成する茨城消防救急無線・指令センター運営協議会(会長・高橋靖水戸市長)を立ち上げ、同センターと消防救急無線システムの共同整備(つくば市は無線のみ)を進めてきた。
同センター整備による最大のメリットは「災害情報を一元化することで、迅速で的確な災害対応につながる」(同協議会)ことだ。全ての119番通報を受理して災害場所を特定し、現場に最も近い県内各地の消防本部に出動指令を出すことができる。また、患者の受け入れ可能な病院や交通渋滞情報を共有でき、出動時間や救急搬送の時間短縮も見込まれ、より柔軟で臨機応変な対応につながるという。
また、県の防災情報ネットワークシステムと連動した災害情報の共有も可能になる。県が4月から導入した衛星回線や光通信など最新の情報通信技術を駆使したシステムを生かし、災害や救急の情報がリアルタイムで把握できる。
同センターの運用開始を祝う式典が1日、水戸市内原町の内原ヘルスパークで開かれ、管内市町村の関係者ら約200人が出席。高橋市長が「県民の安心安全、生命財産を守るための万全の体制が整った」とあいさつし、橋本昌知事は「さらなる防災体制の強化につながることを期待している」と述べた。
(朝倉洋)