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18歳選挙権 政治や選挙、関心持って 若者の啓発活動、活発化

県立鉾田一高で消費増税について高校生と意見を交わす宮内優衣さん(中央)=鉾田市鉾田
県立鉾田一高で消費増税について高校生と意見を交わす宮内優衣さん(中央)=鉾田市鉾田


選挙権年齢が18歳以上に引き下げられて実施される参院選で、大学生を中心とする若者による啓発活動が活発化している。若者世代の政治や選挙への関心の低さが指摘される中、「同世代からの刺激が効果的」との狙いがある。

■「意見吸収して」
鉾田市鉾田の県立鉾田一高で24日、筑波大(つくば市)の学生2人が約90人の生徒を対象に、啓発授業を行った。

講師を務めたのは、若者に政治参加を働き掛けるNPO法人「ドットジェイピー茨城支部」のメンバーで同大3年の宮内優衣さん(20)と、同3年の山寺恭平さん(21)。同校卒業生の宮内さんが同校に申し入れて実現した。

山寺さんは、世界では約9割の国で18歳以下に選挙権があると紹介した。その上で、前回衆院選の年代別投票結果を示しながら、60代と20代では投票率で2倍、投票人数では3倍の開きがあったと説明し、「若い人の声が政治に届きにくくなっている」と強調した。

その後、生徒は5、6人ずつのグループに分かれ「消費増税」と「安全保障関連法」に関し、各党の主張を参考に意見交換。スマートフォンを使ってそれぞれについて賛否の模擬投票に臨んだ。

宮内さんは、その場で開票結果を分析し、議論の前後で賛成・反対の割合が変化したと指摘。「いろいろな意見を吸収して考えてみると、結論も変わってくる。選挙権は18歳以上に与えられた平等の権利。せっかくの機会なので、国や地域の問題にも目を向けてみてほしい」と呼び掛けた。

■「循環つくりたい」
常磐大(水戸市)の砂金祐年准教授(政治学)のゼミ生も16日、市選管と協力し、同市新荘3丁目の常磐大高で3年生約70人を対象に出前授業を実施した。

参院選の争点を紹介した同大3年の鶴田都子さん(20)は「大学生が高校生に授業する機会は珍しい。興味本位でもいいから、耳を傾けてほしい」と啓発効果を期待する。

こうした若者による活動について、砂金教授は「年の近い先輩が政治を語ることでより関心を持ってもらえる。教える側も勉強するので、学生自身の有権者教育にもなる。話を聞いた高校生が来年は大学生となり、教える側に回るかもしれない。そういう循環をつくっていきたい」と話す。 (戸島大樹)



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