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がん先進医療に利子補給 県、患者のローン負担軽減

がん先進医療費利子補給金助成で協定を結んだ県内各金融機関の頭取らと橋本昌知事=県庁
がん先進医療費利子補給金助成で協定を結んだ県内各金融機関の頭取らと橋本昌知事=県庁


県は9月から、陽子線治療などの先進医療を受ける患者や家族の経済的な負担を軽減するため、がん先進医療に関わる費用を金融機関から借り入れた際に生じる利子を補給する事業を始める。それに先立ち、県は30日、商品を取り扱う県内五つの金融機関と協定を結んだ。県によると、がん対策で治療中の患者に経済的に支援するのは初めて。


協定を結んだのは常陽銀行▽筑波銀行▽県信用組合▽水戸信用金庫▽結城信用金庫。5金融機関は先進的がん医療の治療費支援を含む医療ローン商品を取り扱う。取扱開始日は常陽銀が30日、他の4金融機関は9月1日。

利子補給対象の借入限度額は300万円で、年利6%以内なら補給により無利子で借り入れできるようになる。利用できるのは申込時20歳以上。借入期間は7年以内。本年度は利子補給で10人の利用を見込み、予算は180万円。

県がん対策推進室によると、先進医療は高度で新しい医療技術のうち、公的医療保険の対象とするかどうか検討中の治療・手術。公的医療保険が適用されれば原則として自己負担は3割だが、先進医療部分は全額自己負担となっている。

先進医療にかかる費用には幅があるが、主にがん治療に用いられる陽子線治療や重粒子線治療は1件当たり250万〜300万円程度の費用がかかる。筑波大付属病院の陽子線治療は年間約400件行われているという。

締結式で橋本昌知事は各金融機関に感謝を述べた上で、「これまで経済的な理由で先進医療による治療を断念されてきた方の選択肢が広がり、がんの診断を受け不安を抱く患者や家族の大きな支えになる」と利子補給の意義を強調した。 (小池忠臣、大平賢二)



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