国際宇宙ステーションに約4カ月間滞在し、昨年10月に帰還した宇宙飛行士の大西卓哉さん(41)が27日、つくば市の五十嵐立青市長を表敬訪問し、「宇宙は期待通りの楽しさだった」と話し、打ち上げや帰還の際の市の応援に対し感謝の気持ちを伝えた。


大西さんはフライトエンジニアとして昨年7月から宇宙に滞在し、同10月末に帰還した。全日空のパイロットだった経験を生かし、115日間の宇宙での活動で、無人補給機を捕らえたりマウスの飼育実験をしたりと重要任務をこなした。また、自身のウェブサイトをほぼ毎日写真付きで更新し、宇宙での暮らしなどを伝える情報発信にも努めた。

市役所正面玄関前には「おかえりなさい」と書かれた横断幕が張られ、大西さんが到着すると職員、来庁者らが拍手で迎え入れた。会談で五十嵐市長から「宇宙飛行士に大事なことは」と問われると、「忍耐力が一番大事。宇宙に滞在したのは115日だったが、そのために8年間働いてきた。(宇宙に行くまでの)課程が大事。『しっかりやる』忍耐強さが大事」と答えた。

大西さんは現在、同市の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の筑波宇宙センターに勤務する。今年11月に医師の金井宣茂さん(40)が宇宙に出ることについて触れ、「次の飛行士、金井さんのミッションのため、自分の経験や知見を引き継ぎたい。そして、地上でスキルを積んで、もう一度宇宙ステーションに戻りたい」と再挑戦にも意欲を見せた。

大西さんはサイン入りの「飛行記念パネル」を市へ贈った。市はパネルを市役所の正面玄関に飾る予定。　(高阿田総司)