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山間の学びやに別れ 高萩、君田小・中で閉校式

高萩市立君田小と君田中の閉校式で最後の校歌を響かせる出席者=高萩市下君田
高萩市立君田小と君田中の閉校式で最後の校歌を響かせる出席者=高萩市下君田


高萩市下君田の市立君田小(梶山義博校長、児童4人)と君田中(征矢真一校長、生徒2人)の閉校式が19日、同中体育館で開かれ、県内で最も小規模な学校としての歴史に幕を下ろした。在校生をはじめ、学校運営を支えてきた地域住民と、県内外から卒業生など計約450人も駆け付け、最後の別れを惜しんだ。

両校は同市の山間部にある。少子化の影響で在校生は年々減少していた。君田中は1947年創立、隣接する君田小は80年に二つの小学校が統合して開校した。卒業生は君田小が217人、君田中が1191人。

閉校式で、市教委の小沼公道教育長は「この学びやで培われたものは子どもたちや地域の人たちの胸に刻まれ、次の世代の心に受け継がれる」とあいさつ。梶山校長と征矢校長が小沼教育長に校旗を返納した。

10日に同中を卒業した鈴木七海さん(15)を含む児童生徒7人が校歌などを披露。鈴木さんは「9年間を大好きな君田で過ごせた幸せもの。いつまでも心を癒やしてくれる場所であってほしい」とメッセージを送った。両校の思い出を振り返る計300枚のスライド上映後、出席者全員で最後の校歌を響かせた。

君田中第4回卒業生の鈴木康夫さん(81)は「少ない人数でバレーボール県北大会で優勝したことが思い出だ。地域全体で学校を応援してきたが残念」と語った。

閉校記念事業実行委員会の鈴木勝一委員長は「学校がなくなる寂しさを地域を盛り上げる意識に変えていきたい」と話した。

両校は約18キロ離れた市立松岡小と松岡中に統合される。市は児童生徒に制服や体操服などを贈り、スクールバスを運行する。       (飯田勉)



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