鉄路在りし日懐かしむ 城里・茨城鉄道展

水戸市赤塚と城里町御前山を結び、1971年に廃線となった茨城鉄道(茨城交通・茨城線)を振り返る企画展が、同町下古内のホロルの湯1階ロビーと、同町石塚の町役場1階町民ホールで開かれている。主催は町と同市立博物館。住民らが提供した写真を中心に、両会場合わせ約200点を並べる。どちらも入場無料、8月31日まで。
展示は同鉄道を懐かしむとともに郷土への愛着を深めてもらおうと企画。同博物館は関連資料の所蔵数が約20点と少なく、昨秋から展示資料を募った。
ホロルの湯では「青嵐(せいらん)」や「やまばと」といった列車、車両が田畑や林の中を走る風景、車内のにぎわう様子などの写真を展示。全16駅の写真を添えた路線図、貴重な映像資料、年表も用意した。
同鉄道は26年、赤塚駅を起点に営業を始め、27年に御前山駅まで開通。通勤や通学、新緑、紅葉時季の観光で盛んに利用されたが、自動車普及で客が減少し、71年に惜しまれながら廃線となった。
同市赤塚出身で、同鉄道を利用していたという同町北方、無職、鈴木彦三さん(71)は「郷愁に浸れた。古めかしい車両も駅舎も、振り返れば味わい深い」とうれしそうに話した。
ホロルの湯は8月14日を除く月曜と同17日休館。月曜が祝日の場合は翌日に振り替え。町役場は土曜午後と日曜・祝日閉庁。
企画展に関する問い合わせは同博物館(電)029(226)6521。