石井竜也さん命名 KITAIBA開館
北茨城市生涯学習センターの分館「期待場 KITAIBA」のギャラリーのオープニングセレモニーが1日、同市関本町富士ケ丘の同分館ギャラリー前で行われた。4月21日開館した本館「とれふる」(旧関本小学校)と同様、2015年に閉校した旧富士ケ丘小学校の校舎と体育館を改修。芸術館として陶芸施設やアトリエ、ギャラリーなどを整備し、同市出身のアーティスト、石井竜也さんが「北茨城」にかけて「期待場」と命名した。
3階建て校舎は陶芸講座室や陶芸窯室、陶芸ろくろ室、シェアオフィス2室のほか、アトリエ10室を備える。屋内運動場は作品展示と作品格納スペースを設け、ギャラリーに生まれ変わった。石井さんの作品を展示するほか、同市出身やアトリエを活用する芸術家などの作品を展示していく。
絵付け前の白ダルマに粘土を盛り付け、塗装を施した石井さんの作品「顔魂(かおだま)」は、作者の内面を無計画、無秩序に造形化した。会場には高さ約142センチの「龍神伝説」など3体を展示。格納スペースには約400体の顔魂がある。セレモニーには関係者や地元住民など約350人が出席し、テープカットに合わせて小学生が風船を飛ばして開館を祝った。
豊田稔市長は「芸術のまちづくり推進のために石井さんに協力を求めた。新しい文化を創造し市民に元気を与えられる場所になってほしい」とあいさつ。石井さんは「誰でも人生のどの時点からでも芸術家になれる。この場所が期待に満ちた場所になれば」と話した。豊田市長がコンサートの開催を要望すると、「年に1回ぐらいは開きたい」と応じた。(飯田勉)