笠間の航空隊記念館制作 VRでゼロ戦操縦体験
筑波海軍航空隊記念館(笠間市旭町)は、ゼロ戦を題材にした来館者向けのVR(仮想現実)映像を完成させた。作品のナレーションを担当したのは、桜川市出身の声優で幅広い活躍を見せる櫻川めぐさん(29)。「専用端末を装着して体感する映像は、本当に飛行機に乗っている感覚です。若い人などが戦争について考えるきっかけになれば」と話している。
櫻川さんは、声優として人気ゲーム「バンドリ!ガールズバンドパーティ!」やアニメ「ラブライブ!」などに出演。歌手としても活躍する。昨年7月には出身地の「さくらがわ応援大使」に就任した。笠間市でも同館のほか、「市地域交流センターともべ」の施設案内のナレーションも務めるなど、PRに深く関わっている。
完成したVR映像は全部で約10分。スキーゴーグルのような専用端末を装着して視聴する。内容は(1)ゼロ戦の操縦を疑似体験できるアニメーション映像(2)筑波海軍航空隊記念館の歴史を紹介する映像(3)同館上空200メートルからドローンが撮影したパノラマ映像-で構成され、6月3日以降、同館で一般に公開される。
櫻川さんをはじめ、同館の金澤大介館長(47)、VR映像の製作を請け負った凸版印刷(東京都)の関係者らは23日、完成報告を兼ね、同市役所を表敬訪問。金澤館長はVR映像の素晴らしさを山口伸樹市長にアピールし、大和ミュージアム(広島県)など他県の施設と連携できる仕組みづくりを要望した。
櫻川さんは「笠間市は子どもの頃から観光や買い物で訪れた憧れの地。この縁をきっかけに、笠間のことをもっと多く発信していきたい」と話し、「今後は声優だけでなく、人の心を動かすようなナレーションの仕事もこなしていきたい」と抱負を語った。
山口市長は「櫻川さんには笠間のことを宣伝していただきありがたく思う。戦争遺構として価値のある筑波海軍航空隊記念館の文化財登録を強く進めていきたい」と答えた。(沢畑浩二)