超軽量機墜落で男性死亡 水戸の宅地造成地 事故調査官派遣へ
14日午前10時9分ごろ、水戸市元石川町の宅地造成中の土地から「飛行機が落ちている。乗っている人が、動いていない」と119番通報があった。飛行機は近隣の同市森戸町の場外離着陸場から飛び立ったとみられる超軽量飛行機(ウルトラライトプレーン)で、操縦していた同市元吉田町、会社員、山口雅之さん(73)が病院に搬送されたが、約2時間半後に死亡が確認された。同乗者はいなかった。国土交通省は航空事故と認定、運輸安全委員会は15日に航空事故調査官2人を派遣する。
水戸署によると、機体は長さが約6メートル、主翼の幅が約8メートルで、プロペラ、翼、車輪を破損していた。
墜落現場近くの電線が2本切れており、機体の一部が電線に引っ掛かり墜落した可能性もある。国交省によると、飛行計画の提出は必要ない飛行だった。同署で飛行ルートや詳しい状況、死因などを調べている。
墜落現場から約1キロ東の同離着陸場を管理・使用する「水戸フライングクラブ」の関係者によると、山口さんは5〜6年前に会員となり、土日を中心に週1回のペースで飛行。入会以前は栃木県でも飛行経験があり、飛行歴は「10年ほどで中堅ではないか」という。
住宅の工事作業中に墜落した機体を目撃し、119番通報した関口将人さん(24)によると「バコーンという大きな音が聞こえ、振り返ると機体が落ちていて、プロペラが回っていた」。機体に近づくと、燃料のような液体が漏れ、機体の部品とみられる物が散乱していた。操縦席ではヘルメット姿の男性が座ったままぐったりと下を向き、「大丈夫ですか」と声を掛け続けたが、反応はなく、救急車到着までに呼吸も確認できなくなったという。
北関東自動車道水戸南インターチェンジの南東約2キロの現場は、「水戸南ニュータウン」の造成地が広がり、約300メートル離れて新しい住宅が立ち並ぶ。住民の20代女性は、救急車や消防車のサイレンで墜落に気付いたといい、「家にぶつかっていたらと考えると怖い」と語った。(今井俊太郎)











