哀悼、平和を祈念 水戸 県戦没者追悼式に1200人
県戦没者追悼式が24日、水戸市千波町の県民文化センターで開かれ、各市町村の遺族代表ら約1200人が参列した。黙とうと献花で戦没者に哀悼の意をささげ、平和を祈った。
遺族代表の大森博さん(79)=常陸太田市=は幼少時に父・俊夫さんを戦病で亡くした。戦時中、現JR常陸太田駅で出兵する多くの人たちを見送った記憶を振り返り、「家族や友人とのつらい別れだったと思う。70年以上たっても忘れられない記憶だ」と述べた。その上で「平和をしっかり守り、次の世代につなげたい」と語った。
大井川和彦知事は「今の平和は戦没者の尊い犠牲の上に築かれたもの。戦争の惨禍が再び繰り返されないようにあらためて願う」と式辞を述べた。
追悼の辞で県遺族連合会の狩野安理事長は、遺族の高齢化が進む現状に触れた上で、「遺族の悲惨な体験を繰り返さないよう、お互いの心を一つにし、子や孫に語り継いでいきたい」と述べた。その後、市町村の遺族代表や戦没者のひ孫にあたる小中高生ら青少年代表など計140人が献花した。
県健康長寿福祉課によると、本県の戦没者数は戦災による死者を含めて5万8102人。参列者の遺族の平均年齢は75・2歳。
追悼式は1952年に始まり、今年で61回目。(成田愛)